ネットでもヤバイと話題の自殺サークルという映画を見たので感想と少し考察をしていく。
ネットでは高評価と低評価に分かれる難解な映像である。
考察の練習がてらやっていきましょう。深くはやりません。
目次
自殺サークルを見た感想
30分ごとに作品のイメージががらりと変わる混沌とした世界観
始めの30分は「女子高校生の集団自殺」という謎について物語が進みます。
物語中盤はそれを追いかける刑事が強く描かれます。
物語終盤になると自殺とは何かという問題について正解を模索するシーンが描かれています。
低評価の理由に意味が分からないという意見が多いのですが正解です。むしろそれを狙っています。
流れをイメージで言うなら「リアル→カオス→電波」的描写に移り変わります。
ちなみに超常現象でも黒幕が糸を引いているわけでもありません。これらを引き起こしているのは”自分”です。
「あなたはあなたと関係がありますか?」
ROLLYが作り上げるカオス
物語中盤有名ギターリストROLLYが役で出てきます。場の空気が急に変わります。超カオスです!さすがといったこころ。
このシーンが要らないという人もいますがこのシーンがなくてはならない理由が心理的な理由であります。
それこそがカオスです。
カオスという映像を作っているのです。そして、謎に思う気持ちを作り上げていく。
なぜなのか?なぜなのだ?
・・・その気持ちを心理的に作り上げることで作品の中と見ている側の心を一体にする。それこそが狙いです。
なので、真面目に見てると中盤ぐらいから頭がおかしくなりそうです。
映画自殺サークルが伝えたかったものを考察する
キーワード
集団
集団というキーワードの連想として「アイドル」「女子高校生」が描かれています。
あなたはあなたの関係者ですか?
この映画を面白いと感じる人はこのワードに注目できた人だと感じるぐらいコレが重要。
「あなたはあなたの関係者ですか?」という問い以外に「あなたと奥さんの関係は消えますか?」という発言がある。
つまり他者とのつながりを連想させる描写である。
自分はだれかとつながっているというものから自分の存在を証明することができます。
しかし自分は自分であるという証明や自分という存在が自分一人では証明することができないといっているのです。
あなたはあなたの関係者ですか?→いいえ違います。だから私はジサツする。
死ぬことで生きていたという事実が分かる。
刑事が死亡したのは家族がいなくなったから。だから他者とのつながりを証明する証拠がなくなり自分の存在を証明するものがいなくなったので生きる理由がない、それには耐えられない。だから死をもって生を実感するという。
「死が急速に接近する瞬間が、一番生を実感する」という言葉をどこかの変態ガスおじさんが言ってたような。
生きる意味など無い
疲れ切った日本社会リアルネット仕事対人関係。そんなにつらいなら生きる理由なんてないないよな。生きる意味もないし。じゃあジサツするか?だって生きる理由がないんだもんな。という流れで物語は進んでいきます。
また死ぬことで生を実感し生きているという証明をします。
生きる意味を見つけるために生きる理由を探し生きることををやめるという。
しかし、それは間違っている。そんな考えや論理は違う。
そもそも違うんだ!
生きることこそが生きる意味であり、生きる理由は必要ではないということです。
つまり、生きる意味なんてものはないということです。
物語中盤から終盤にかけて生きる理由を探す描写が多くあります。
人間は生きる理由を探そうとします。またその在りかを決めようとします。家族、社会。どこかにその存在が無いと生きれない。
は?何言ってんだ??
「勝手に生きろ」
この言葉を言うためだけのわけのわからないストーリーです。
そう、理由をつけたがる人間、それこそ間違っている。理由ではなく証明でもない。ということも伝えているように感じます。
この作品の正解とは
この作品についていろいろ感想があったり正解を模索しようとしますが無駄です。
サスペンスではありません。オカルトでもありません。
辻褄が合う作品でもありません。伏線が回収される作品でもありません。。
物語として成立しているものでもありません。
全ては「生きること」を考えさるための描写であり矛盾や意味深な描写はそれを連想させる、感じさせるためだけの演出なのです。
あえて、いうなればこの作品の答えは彼氏が死んでも最後まで死ななかった女子高校生です。
彼女が生き残った理由が答えであり正解です。
時代背景を考える
この作品は、2002年に公開された映画です。
1998年以降、自殺者の数が爆発的に増えています。
自分自身が自殺を考えられるような年齢ではなかったので当時の世の中が実際にどうだったかはわかりません。
しかし、私が小学生の時自殺が大きな問題になっていたということは記憶しています。