セルゲイがニコライに宛てた書簡 バイオハザードアンブレラクロニクルズ 読解時系列考察
目次
セルゲイがニコライに宛てた書簡 バイオハザードアンブレラクロニクルズ 読解考察
ガセネタ ニコライが生きているかもしれない説の元凶 セルゲイがニコライに宛てた書簡
ニコライはラクーンから脱出して生きている!という話を聞いたことがありませんか?
お前が持ってきたその取引は、確かに莫大な富と可能性をもたらす。交換条件としては破格だろう・・・が、正直なところ、迷いはあった。
バイオハザードアンブレラクロニクルズ/セルゲイがニコライに宛てた書簡
アンブレラクロニクルズにセルゲイがニコライに宛てた書簡があります。そしてこれをラクーン事件後にニコライがセルゲイにデータを渡してその返事だという説から来ています。
確かにバイオ3ではニコライ生存エンドも存在します。がそのイベント以外で根拠は存在しません。(この資料は公式でありながら分岐が発生するため確実とはいえないらしいと注意書きがある)
「ジルのデータをセルゲイにあげるから俺の望みを叶えてクレアレッドfi-…くれないか」っていう内容だと思っている人が割と多い。というか、もしそう思っていても仕方がないです。過去にそういう解説記事とか解説動画が出てるせいなんで。
世の中に出ているバイオハザードの解説の悪い所なんです!プレイしてそれっぽいなと思って適当に繋げて公式設定のいいとこどりをして端折って勝手に変えてしまうんです!(俺も変えてますが・・・根拠が全部あります。こいつ何言ってんだともし思ったら記事を漁っていってください答えが見つかります。)
しっかりと時系列考察をしましょう。というか、ゲーム内にヒントがしっかりあります。今回はそこを読解解説していきます!!!
バイオハザードストーリー考察系実況者の本領発揮です!
セルゲイがニコライに宛てた書簡はいつ書かれたものなのか
セルゲイとニコライの関係
セルゲイとニコライの関係を見ていきましょう。
直接的に会話をしているシーンがあるわけではないですが今回のセルゲイがニコライに宛てた書簡にヒントがあります。
同じ戦場に立った銀狼よ
バイオハザードアンブレラクロニクルズ/セルゲイがニコライに宛てた書簡
まず銀狼=ニコライジノビエフです。これはニコライ宛てに書いているものなのでそうです。
そしてキーワードになるのが「同じ戦場に立った」です。
同じ戦場に立ったというのは何のことなのでしょうか?
それは二人の経歴にヒントが隠されています。
まずセルゲイは元ソ連軍の兵士です。今でもゲーム内では大佐と呼ばれています。
そしてニコライジノビエフも元ソ連軍の特殊部隊にいました。
ソビエト連邦が崩壊するまでは特殊部隊スペツナズに所属
バイオハザード3 ラストエスケープ 公式ガイドブック 完全征服編 (カプコンファミ通)
(中略)
スペツナズの解体からU.B.C.S.所属までの経歴は一切不明で、彼がどのような経緯でこの死と隣り合わせの部隊に入隊したのかを知る術はない。
ソ連崩壊と共にスペンサー率いるアンブレラに接近。タイラント開発に携わる。
バイオハザードアンブレラクロニクルズ/セルゲイ・ウラジミール
経歴から軍組織の経験、人脈が深くアンブレラの私兵組織 U.B.C.S.の設立には密接に関わっている。
つまり同じ戦場というのはこの時代のことを言っていると考えられます。
これ以降セルゲイとニコライはつながりがあったと考えられます。
セルゲイが痛みに耐える理由
痛いの大好きドエム野郎!♬
「誰がドエム野郎だ!」:セルゲイ
(笑)という冗談はさておき。
いつの日か我が祖国が大国として復活するなら、私はどんな苦難にも耐え、血の対価を惜しまないだろう。たとえこの身を斧で切り刻まれても構わない。
バイオハザードアンブレラクロニクルズ/セルゲイがニコライに宛てた書簡
この文章からわかるのはこの文章を書いている以前はまだ決意していないということ。この文章を書いた後は決意をしているということ。それではゲーム内の演出を見てみます。
これはセルゲイがラクーンから脱出するシーンです。
セルゲイが自らに痛みを与えています。この演出から考えられるのはセルゲイがすでに決意を固めているということです。
つまり、冒頭のラクーン脱出以降にこのセルゲイがニコライに宛てた書簡が書かれたものであるというのはオカシイわけです。
もっというなれば2ヶ月も前の洋館事件のさらに前の黄道特急事件ですでに口を切って血を流しています。
もしも彼がこの痛みに対してまだ決意が固まっていなかったのなら自らを自傷するような行為はあるはずがありません。
つまりこれよりも前であるということが分かります。
軍時代からセルゲイと一緒にいる10人の兵って誰
アンブレラにとっては、軍時代からの死線を共にした10人の兵に、彼らの下した「価値」しかないという事実も判っている。
バイオハザードアンブレラクロニクルズ/セルゲイがニコライに宛てた書簡
日本語的に難しい文章なので少しわかりやすくしてみましょう。
ざっとまとめると「アンブレラは10人の兵に何らかの価値を下した」ということです。では何らかの価値というのは何なのでしょうか?それを考えていきます。
10人の兵とは何者なのか
まずはこの10人が何者なのか。
1991年12月
https://www.residentevil.net/recollections/?l=ja
セルゲイ・ウラジミールがアンブレラに接触。「タイラント」の素体に適合したセルゲイは自分のクローン10体をアンブレラに提供し、幹部に就任
セルゲイが10体のクローンをアンブレラにあげたようです。アンブレラでクローンを作ったのではありません。
つまりこれ以前にこのクローンたちが存在していたことになります。そして先ほどの文章と合わせるとセルゲイはソ連軍に所属していた時自身のクローンを作っていた模様。そしてその後ソ連が崩壊しアンブレラに移る際にそのセルゲイのクローンを提供したということです。
アンブレラが下した価値とは
では価値というのは何なのでしょうか?
意思もあれば心もある人間を、生ける屍の生体兵器に変えようというのだから・・・。
バイオハザードアンブレラクロニクルズ/セルゲイがニコライに宛てた書簡
セルゲイといえばとんでもない確率でTウイルスと完全適合した人ですよね。そして彼をもとにタイラントが作られます。しかしながら彼はタイラントになるということはありませんね。普通にセルゲイというキャラで登場しています。
彼の嘆きは人間としての嘆きであると捉えられます。いくらクローンといえども自らの分身であり人間です。それをタイラントというただの命令に従う兵器にされるのですから。
つまり価値を下したというのは価値が無いという意味であっていると思います。
ここで重要なのがそのクローンはアンブレラにとってはタイラントという兵器を作る価値があるんです。しかしセルゲイ視点から見てみると自らのクローンである10人は人間です。つまり人間としての価値が無いという意味になります。
セルゲイは人間としてみてほしかった。単なる実験体になり下がるのが悔しかったのだといえます。
前進には、命を賭した遵奉、尊い犠牲が必要だ。
バイオハザードアンブレラクロニクルズ/セルゲイがニコライに宛てた書簡
10人のクローンを犠牲にすることで更なる高みに進めるはずだと。
この心の痛みを超えるために自らを自傷しその痛みにすら耐えること、そして痛みは次なる高みを目指すために必要なものだと。
そう思いたい―そう思わざるを得なくなった。
つまり、この部分が「セルゲイがニコライに宛てた書簡」に当たるのではないでしょうか?
ということはこの出来事が1991年12月なのでバイオハザードの時系列的にはこの時期でしょう。ラクーン事件から7年前の出来事。
―アンブレラの幹部になることができたが同時に失ったものは大きかった。これ以降セルゲイは覚悟を決め、その痛みに耐えることになった・・・
セルゲイがニコライに宛てた書簡 バイオハザードアンブレラクロニクルズ 読解
主語など記載したり文章をわかりやすくしたものに変更してみました。↓
ニコライへ 遅くなったが例の件の返答だ。
クローン10体をアンブレラへ提供する代わりに私がアンブレラの幹部になれるという取引は実に良い取引だと思う。だが正直なところ迷った。
別に彼らを手放すことをためらっているのではない。
ソ連軍時代からの戦友である私のクローンが兵器としての価値しかないというアンブレラの判断-私としては辛い所だ。
銀狼―ニコライよ。あの恐ろしい同じ戦場を共に駆け抜けた戦友として私を笑うがいい。私は人間として接してきたクローン10人を兵器として利用しなければならないということを恐れていた。こうなることがクローンの宿命だとわかってはいたが。
彼らもまた人間なのだ。それなのにアンブレラは彼らを命令に従うただの兵器にしようというのだ。
しかし、私は覚悟を決めた。すでに揺るがぬ決意がこの胸中にある。
まず初めに尊い命を生贄にすることが必要だ。
いつの日か祖国が大国として復活するのなら私はどんな苦難にも耐え、血の対価を惜しまないだろう。たとえこの身を斧で切り刻まれても構わない。
誓おう。
慟哭の血を流し、慙塊の肉を削りながら、私は新世紀の覇者となる道に踏み出す。
返答は「ダー/YES」
ニコライよ、お前の望みに応えよう。
セルゲイウラジミールより
セルゲイがニコライに宛てた書簡 バイオハザードアンブレラクロニクルズ 読解考察 まとめ
今回の記事はいかがだったでしょうか?
DO・エム野郎なんて巷では言われていますが彼の決意は凄いんですよ!かつての仲間でありそして自身のクローンである10人を人間から兵器に変えなければならない心の痛みは相当深い傷になったのでしょう。
作中ひたすら自分を切って切って切りまくって血を出しまくる裏に実はこんな悲しい過去があったんですね。心の傷を紛らわすように体を切りまくって血を流して、それの痛みが正しいことなのだと思い込むように。。。
最後はその痛々しいいばらの中から怪物への変貌する力を生み出した。
あのセルゲイの姿。あれは内なるイバラに戒められ、引き裂かれる苦しみの姿だった。
バイオハザードアンブレラクロニクルズ/変形に関する特異性ウェスカーの手記
1000万人に1人の確率でTに完全適合できるバイオキャラの中でも凄いやつだと一般的には思われてますが彼は彼なりに葛藤があったりしてド変態ドエム野郎と呼ばれる下品なキャラクターではありません。
まあ、「まだだ・・・もっと深い痛みを」とか言っているので痛いの大好きなのはわかるんだけどね。
セルゲイがニコライに宛てた書簡 バイオハザードアンブレラクロニクルズ 読解考察 あとがき
バイオハザードのこの複雑な物語がたまらない私からすると最高に面白い部分になっています(^◇^)
こういう意味深で意味の分かりにくいファイルを読むために何周もプレイしていたバイオ。それにしてもアンブレラクロニクルズはマジでえぐかったな。ハードSとエンブレム回収の地獄だった(笑)しかもデータ飛んで一からやったしな(笑)無限にしてからは爽快!そこまでの道のりが意外とバイオハザードシリーズの中でも長いかもしれない。
もう昔過ぎて入手方法忘れたので攻略サイトの情報ですがアンブレラクロニクルズのアンブレラ終焉のチャプター2に出てくるモニターを破壊すると今回のこの「セルゲイがニコライに宛てた書簡」あるようです。
というわけで冒頭に言っていたニコライ生存説の根拠になるというのは完全に否定です。
今のところニコライが生きているという根拠には一切なりえないファイルです。
ちなみに小説版にはこの部分に関してもっと詳しい時系列に関する記述があります。
セルゲイをアンブレラへと誘った、その岐路が見える。
バイオハザードアンブレラクロニクルズ SIDE B p205
U.B.C.S.隊長であるニコライ・ジノビエフの書簡が蝶のように羽ばたいている。
その蝶を追う、セルゲイ。
そしてセルゲイの記したその書簡への返信。
―たとえこの身を斧で切り刻まれても構わない。
誓おう。
慟哭の血を流し、慙塊の肉を削りながら、私は新世紀の覇者となる道に踏み出す。
(蝶って何なのか?と読んでいない人はなると思いますがセルゲイの意識の中の話だと思ってください。)
小説版買ったんですが考察記事と内容同じでした!うれしいですね!
・・・ちなみにニコライがなぜUBCSに入っているのかの謎も実はここに隠されているんではないでしょうか!それはまた次回!
実にバイオらしい難解な文章でした!面白いぜ!(≧▽≦)
以上で今回の読解時系列考察を終わります。
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セルゲイが本当に成し得たかったこととは バイオハザードアンブレラクロニクルズ 考察